陶芸教室に通い始めた皆さんの中には、自分の出て作った焼き物をさらに優れたものにしたいという欲求を抱いた人もいることでしょう。
陶芸教室には基本的に参加者の自主性を尊重し、自由に焼き物を作らせてくれるところもあります。
こうした陶芸教室に通っている皆さんのために、焼き物づくりの中でも奥深い釉薬の塗り方について解説します。
釉薬の効果は色付けとワックスという2つの面を併せ持っています。
土を捏ねて作る焼き物においては、土が水を吸収してしまうという恐れをはらんでいます。
水分を吸収した土は柔らかい材質に変化し、焼き物自体が脆くなってしまうのです。
釉薬はこうした焼き物の弱点を補強する役割を担っています。
表面をコーティングし、水を浸み込みにくくすることで長く使える焼き物にしてくれるのです。

また、釉薬が持つ色によって陶器全体のカラーを決めることにも繋がります。
下絵や上絵付も装飾的な効果はありますが、器に釉薬を塗ることで仕上がりの印象は大きく変わるのです。
釉薬の塗り方にはいくつかの種類がありますが、緊張感をもって臨むことになるのがひしゃく掛けです。
こちらは、サンドペーパーやスポンジで素焼きした焼き物の表面を滑らかにした後、ひしゃくを使って釉薬をかけるというものです。
1回だけ釉薬を塗るという制約は、釉薬の塗布した場所にムラが生まれます。
このムラこそが独特の味わいとなり、世界に一つだけの焼き物が完成するのです。
ひしゃく掛けは茶碗のような形の焼き物で行われることが多く、大きく2回の工程に分かれます。
1度目は器の内側や表面に薬をかけるのです。
ひしゃくを傾けて流れ落ちる釉薬の中に、焼き物を突入させて、回転させるようにしながら落とし込みます。
内側や表面が終わったら、今度は器の外側及び裏側にも同様にして釉薬をかけるのです。
平皿のような形状の焼き物には筆塗りという方法で釉薬を塗布することがあります。
こちらもひしゃく掛けと同様に器の表面を研磨した後、釉薬を染み込ませた筆でたっぷりと塗り付けるのです。
筆塗りの場合は、釉薬を重ねて塗ることが可能なのでムラの無い仕上がりにすることが出来ます。
釉薬が一カ所に固まってしまわないように、まんべんなく塗り込むのがコツです。
陶芸教室によっては、どのような形で釉薬を塗るか受講者の希望を聞いてくれるところもあります。
同じような形状の器を作り、釉薬の塗り方を変えてみることで仕上がりの違いを楽しむというのも一興です。
土練りや形成だけでなく、釉薬を塗るという行為の楽しみも見出しながら陶芸の奥深さを味わってみてください。